不動産関連の制度の見直しやルール変更

令和6年4月1日から始まる相続登記の義務化は、新聞雑誌でよく取り上げられているから皆さんよくご存知だと思います。

不動産登記の義務化!とか相続!とかの文言を表紙に入れると、雑誌の売り上げが違うらしい。

民法等の改正に伴って、制度の見直しや変更が次々と行われている。

 

今までは相続時に不動産の登記をするのは義務ではなかったので、義務じゃないならやらなくてもよくね?となって、放置され続けた結果、今や問題が山積み。

売買や変更をしようとしても、数次相続(孫やひ孫へ)で土地共有者がねずみ算式に増えていたり、大震災などで復旧しようにも所有者が不明で手が付けられなかったり。

これらの土地を今後増やさないための予防の観点から、また現在の不具合を解消していくために制度を設けたりルールが変更される。

 

土地や家屋など、個人(または法人)の財産に関わる法律に手を入れていくというのは行政としてもなかなか勇気が要ることでは。

財産権は憲法で保障されているから。

慎重が上にも慎重に、になりますわな。

それをするということは、今は国の制度が大きく変わる変革期であるということかな、と。

過去に起こった大震災と予測される大地震、地球温暖化による気候変動、止まらない人口減少と高齢化。

そういう時代に生きているんだと覚悟せざるを得ない時に来ている、と感じる。

たいそうな言い方ですみません。

 

不動産に係わる法改正や身近なエピソードは、細かく話すと長くなるので、今後はテーマ毎に発信していこうと思う。

 

鳥の目、虫の目、魚の目

 

先日、法律改正のセミナーに参加していて、ふとこの言葉が思い浮かんだので書き留めておこうと思う。

言葉の説明を私がするのは僭越なので、御存知ない方は↓

伊藤 元重『経済を見る3つの目』 | 慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC) (keiomcc.com)

出典はよくわからないけど、伊藤先生が仰ったというのがメジャーなようなので。

色々な人が色々なところで使われている様だけど、何か読んで「なるほど、そうだよな」と思った記憶があって。

不明者土地とか相続登記とかの話を聞きながら、不動産に携わるにおいて私に必要な目ではないかと思った次第です。

以下は勝手な私のひとりごとです。

 

不動産屋のひとりごと

前述の通り、今回の相続登記の義務化は、このままでは不都合極まりなく立ちいかなくなるので、不動産登記法を改正したということ。

法務省:所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法) (moj.go.jp)

現時点で全国の所有者不明土地を集めると、九州の広さにも相当するらしい。

全国土の約4分の1が利用できない状況にあるってこと?凄いね。

 

管理されない土地や家屋は、時が経つほどに荒廃する。

明治、大正時代で登記が止まってしまっていて所有者不明。

数次の相続を経て、今では相続人が両手の指では足らないなんて事もザラで、自分が相続人であることすら知らない人も。

もしも、お金になるものだとわかったなら、そう易々と権利を手放すことはないだろう。

人はみな、自分の損得には敏感なのだ。

 

バブルの頃には、土地神話があって、とにかく土地を買うんだ、と。

絶対上がるから、資産を増やせる。株より安心!?

そういう時代だったらしい。

ブームに乗った人達は資産を増やし、お金持ちになったのだろう。

その先、その人が亡くなられた後、子供や孫はどれだけの恩恵をうけるのだろう。

 

現在、人口減少と高齢化は目の前の事実。

日本の人口は、前年比で75万人減っているんですって(総務省統計局の資料より)!

2022gaiyou.pdf (stat.go.jp)

これは、大阪の政令指定都市である堺市の人口より少し少ないくらいですって!

日本の市の人口順位 – Wikipedia

堺市ほどの大きな市が毎年消えていくって、、、イメージできない、怖いよぉ!

 

住むことを目的とした家や部屋を2つ以上必要な人がどれだけ居るのか。

人口以上の家や部屋をこれからも量産するのだろうか。

土地に上物を建てたら固定資産税は減額、マイホーム等に優遇措置をつけて奨励したのは政府でしょ。

付け焼き刃の施策に振り回されてきた感じがするのは私だけだろうか。

人は老化し、建物は老朽化する。

始めるのは簡単でも、維持するのが難しい。何事も。

 

目で見えるようにならないとなかなか行動にはうつせない。

病気かもと思っても、すぐには病院に行かないのと同じ。

いずれ人口減少は自分にも影響を及ぼす。

それは自分の衣食住に関わってくる。

マクロの視点とミクロの視点、そして時流を視る、読む。

この時代を生きていくのは大変だ。

勉強しないと。

今日(3月10日)は(株)スタートラインの創立記日、自戒をこめて。

 

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