主が突然居なくなったら、部屋はどうなる?
大阪府内の若者の死因は自殺が1位らしい。
若者の自殺が増えていると、大阪の吉村知事が会見で語った。
大阪府/令和4年(2022年)7月20日 知事記者会見内容 (osaka.lg.jp)
令和に入り増加傾向にあるという。
1位自殺、2位不慮の事故、3位は癌。
特に女性の自殺が増えている、と。
理由や分析は専門家に任せるとして、
聞くだけでとてもつらい。胸が痛い。
コロナの対策も必要だが、未来ある若者への対策は最重要課題だ。
若者のSOSにこたえる専門ダイヤル
「大阪こころナビ」というチャンネルがあるらしい。
是非とも勇気を出して連絡して欲しい。
住まいを扱う者の観点から言わせていただきたい。
最初に部屋を見て、あぁ、ここいいな。と感じて、
そこを自分のお城だと思ったら、最期まで面倒をみる。
最後に、お世話になりました、ありがとう、の気持ちで次に進む。
そうして部屋はまた、次の人を迎えることができる。
最後はとても大事だと思う。
突然に、あるじが居なくなった部屋は悲しすぎる。
そこで事件が起こったら、部屋はどうなる?
不動産屋らしくない言い方だと自覚をもって、誤解を恐れずに言うと、
その物件が事故物件になってしまったら、その物件に対してとても気の毒に思う。
家も建物も部屋も、ただそこに存在するものであるのに、
人間がその価値を下げてしまって、瑕疵ある(キズもの、欠陥もの)と言われる。
家とは不思議で、中の家具がそのままでも空き家でも、
人が住まなくなるとガラッと空気が変わる。
だから家は生きている。と表現して差し支えないと思う。
取引において瑕疵が確認された場合、
事実として伝えるのは宅地建物取引士の義務だから、
必ず、ガイドラインに沿って伝える。
当然の事。
義務を果たした上で、
事故物件と言われるものが、専門家達の手によって再生され、
新しい住人によって、新しい歴史が始められる所に立ち会える事は、
不動産屋の喜びの一つでもある。
でもまずは事故物件が増えないように、
自殺を減らし、自然死された方が長く放置されることが無いように願う。
他殺など言語道断。まっぴらごめんだ。
参考サイト “事故物件”に住めますか? 成仏不動産が調査 (msn.com)
自然死と事故死があった物件=事故物件、ではない
日本では亡くなる方の8割が病院だそうです。
昭和30年代は病院での死亡は10%だったそうだから、
約60年が経過し、最期を迎える状況は激変している。
ということは生き方、暮らし方が激変しているという事。
家族に看取られて最期を迎える方もあれば、孤独に亡くなられる方もある。
不動産業界でも自宅で事件性が無く亡くなられることを自然死と表現する。
老衰・持病などの病死、これは9割を超える一般的なものと国交省のガイドラインにも示される。
参照:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」
不慮の事故で無くなられた、つまり事故死も自然死に入る。
前の所有者(賃借人含む)が自然死や事故死なら、事故物件にはならない。
不動産の売買・賃貸の対象物件で、いわゆる事故物件と言われるのは、
1)自然死で無い自殺や他殺が発生した物件。
2)自然死や事故死であっても、特殊清掃が行われた物件。
不動産の取引においては、「心理的瑕疵がともなう物件」とも言われる。
売買や賃貸の取引において、買主・借主に影響を及ぼす理由がある物件。
買う方、借りる方だけでなく、売る方、貸す方にも影響を与える。